『7つの島』拡張《血湧き肉躍るコロッセオ》

ボード上にコマを配置することでのインタラクションが増したデッキ構築型ゲームとして、昨年のゲームマーケット2011春にて発表させていただきました『7つの島』。既報通り今年、萬印堂さまのおかげで第2版として発売することができます。
※ゲームマーケット2012大阪で先行販売。3月20日前後に一般販売、を予定しています。
昨年のゲームマーケット2011秋におきましては、すごろく風拡張ボード《夢溢れる海賊航路》&《禁断の魔海域》を発表させていただきました。通常の島に追加する形でゲーム自体を変化させるシステム。考えることは膨らんで大変ですが、その分だけデッキ構築の方向性を重視する楽しみを提供したかったわけです。
ちなみに、この拡張第1弾の《夢溢れる海賊航路》&《禁断の魔海域》は『7つの島』第2版に収録されています。これからご購入を考えている方も、ご安心ください。
さて本題に入ります。
今回、新たな拡張ボードを考案しました。その名も“闘技場ボード”! 海賊はただただ島を冒険して、さまざまなお宝を集めるだけが目的ではありません。時には、自分達の強さを顕示するため各々が戦い合うこともあるのです。その場所を再現したのが《血湧き肉躍るコロッセオ》となります。
この拡張ボードは基本的に《無邪気な怪獣島》以外の島に拡張することができます。ボード自体には特別なルールは存在せず、《闘技場》《博打小屋》《訓練所》という3つの独立したクエストが追加されます。今回はそれぞれを紹介いたしましょう。
《闘技場》:まずこの闘技場ボードにおいて最も重要なクエストとなります。この《闘技場》にコマを配置しているプレイヤーはターンに1回だけ「決闘宣言」を行なうことができます。誰かひとりのプレイヤーを指定して互いに手札の戦闘力を比べあうのです。そして、決闘を挑んだプレイヤーが勝利すれば報酬(資材チップ)を受け取り、さらに未決闘のプレイヤーに続けて決闘を挑んでいけます。全プレイヤーに勝利すればそれだけでかなりの資材チップを獲得できることでしょう。さて、この決闘のルールですが、各カードに設定された戦闘力が重要となります。

※この左側にある★の数が戦闘力です。戦闘力は〔船員〕〔怪物〕〔道具〕に設定されていて、〔船員〕〔怪物〕は無条件で公開が可能で、〔道具〕は〔船員〕を公開している枚数までしか公開できない、という条件があります。
★は初版には入っていない要素ですが、ボード自体に全カードの戦闘力一覧が掲載されていますので、初版だけでもこの拡張ボードさえあれば遊ぶことが可能です(後ほどダウンロードできるようにいたします)。
《博打小屋》:この《博打小屋》にコマを配置しているプレイヤーは、決闘で勝利した場合の報酬を2倍にしてくれます。攻めるならばここに配置しない手はありません。
《訓練所》:この《訓練所》にコマを配置しているプレイヤーは、決闘時にデッキの一番上の2枚を捨て札にして、それを手札として扱うことができます。手札が増えるため、より多くの戦闘力のあるカードを公開できるチャンスが生まれます。決闘で勝利しやすくするため自分たちを強化しましょう。
上記の3つの独立クエストが追加されます。
この拡張は、『7つの島』をやりこんでくれたプレイヤーに対するプレゼントのようなものです。みなさんが喜んでくれれば私も嬉しいです。
カードはたいてい、コストが高ければ効果の強力なものになるのが常ですが、この戦闘力においては異なる設定をしています。3~4のコスト帯のカードでも十分戦力になる〔船員〕がいるので、それ中心にデッキを構築をすれば決闘狙いのデッキが出来上がります。そうです、いままでには存在しなかったデッキ構築の方向性が生まれるのです。他のプレイヤーにも様々な選択肢があって、同様に戦闘力を持つ〔船員〕を集めても良いですし、決闘はクエストありきなのでクエストをクリアして妨害するのも良いでしょう。もちろんこれまで遊んでいた通りのデッキ構築も可能です。
ひとつのルールが加わることで、新たな価値観が見出され、それが結果的なデッキ構築の法則を変化させてくれます。この価値観の変化は『7つの島』を何度も遊んでいただいたプレイヤーであればあるほど感じてくれることでしょう。
ということで、ぜひみなさま何度も遊んでください(笑)
執筆者:木皿儀